セックス寿命

無論、人間のセックスは、子作りのためだけのものではないでしょう。性的な悦びは人生を豊かにし、パートナーとの愛情を一層深めることにもつながります。

それだけではありません。女性誌などではよく、「SEXで若返る」と行った特集が組まれていますよね。あれは、あながち「売らんかな」の企画とは言えないのです。

2010年の国際性機能学会誌に発表された論文では、セックスが体にもたらすメリットとして、血圧低下、前立腺癌、乳がんの予防、うつなど精神疾患の予防、男性ホルモンバランスの改善、ストレスホルモンの低下、肥満の改善、免疫機能の改善といった点が、箇条書きで記されています。

正直、身体中の病気はセックスすればかからない(というのは言い過ぎですが)とも考えられているほど、メリットがたくさんあることが記されています。

さらには、25年間の追跡調査により、男女とも性交回数が多く、セックスを楽しんでいる人の方が長生きできるという研究や、週2回の以上のセックスする男性に比べ、月に1回以下しかしない男性は死亡率が2倍に上がる、という発表もされています。

セックスの回数が多いと、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)の発症率が低くなり、それが長寿につながっている、と指摘する論文もありました。

また、繰り返し結婚するコオロギは、一度だけしか結婚しないコオロギに比べ、32%も長生きするという研究もあります。「ガイドライン」でも、「性的活動度と死亡リスクは負の相対関係にあるとされる」と指摘されています。

ある調査では、調査開始時の年齢が60〜94歳(平均70歳)だった270名の男女を25年間フォローした結果、性行為の回数は男女の長寿と有意に相関していました。

逆に、スウェーデンで、70歳の既婚男性128名を5年間フォローした研究では、早く性行為をやめてしまうと、死亡リスクが上昇したそうです。

45〜59歳の918名を10年間フォローしたウェールズの研究でも、性交回数の多い男性に比べて少ない男性の方が有意に死亡リスクが高い、という結果でした。

また、興味深いことに、バイアグラ等のPDE5阻害薬を使用することが心臓にいいのではないかという研究も出てきています。一般的なイメージでは逆なのではないでしょうか?

バイアグラを使用して心臓に問題を起こすのは、ニトログリセリンとの併用による血圧低下が原因です。ニトログリセリンを使用していない心室肥大の患者にPDE5阻害薬を投与したところ、心臓の肥大や形の変形を防ぐだけでなく、心臓の機能も改善するという報告がありました。

もともとの歴史を考えると、バイアグラは心臓や血圧の薬として開発されたので、当たり前と言えば当たり前の話ですよね。この件に関しては、他の記事で詳しく解説して行こうと思います。

体調がいいからセックスを楽しめる、という側面もあるでしょう。しかし、いずれにせよセックスと人間の体や心、寿命の間に強い連関性が見られることは確か。男の人生にとって、セックスの持つ意味はあなたが想像する以上に大きいのです。

だからこそ、性機能障害でその「大切なもの」を奪われるのは辛い。他の記事では、勃起障害、射精障害のそれぞれについて、その原因を中心に深く掘り下げてみたいと思います。